猫さんの器ができるまで
猫さんの器ができるまで

猫さんが、いつも元気に、おいしくごはんを食べてくれますように。
福猫本舗オリジナル『猫さんの器』シリーズは、猫さんがおいしくごはんを食べてくれることを願って、ひとつひとつ丁寧に手作りしています。


猫さんの器ができるまで



『猫さんのごちそう茶碗』ができるまでをご覧ください。

1)菊練り
素材の土の硬さを均一に整えます。 同時に空気をしっかり抜くことで、焼き上げたときの気泡の発生を防ぎます。

猫さんの器ができるまで



2)成形
ろくろを使って、慎重に、かつ丁寧に、基本となる形を成形します。 きれいな円形をつくり出すための、気の抜けない作業です。

猫さんの器ができるまで




3)乾燥(1度目)
形が整っても、土はまだ柔らかい状態です。 ここから2日間、手で触れてもくずれない硬さになるまで時間をかけてゆっくり乾燥させます。


4)耳つけ

ろくろで、器本体と同じ曲面を持つ形の土を作り上げ、それを、耳の形にカットします。
耳と本体が、より密着しやすいように接地箇所に細かいきざみを入れて、同質の土を利用して取り付けます。
本体と耳がきれいになじんで一体になるように、何度も微調整を繰り返します。

猫さんの器ができるまで



5)乾燥(2度目)
耳付け後に、再度、乾燥をさせるための時間(1日)をとります。


6)足つけ
耳付けと同じように、丁寧に足を取り付けます。






7)乾燥(3度目)
さらに、1週間という時間をかけて、じっくりと乾燥させます。



8)表面仕上げ
細部のチェックを行いながら、表面にやすりをかけて滑らかになるように仕上げます。



9)素焼き
約800度の窯の中、10時間かけて素焼きします。
写真は、水分が抜けて硬くなった状態です。



10)下絵
表面をきれいに拭き取り、ひとつひとつ、丁寧に下絵を施します。





11)釉薬
形を整えた器全体に、むらなく釉薬をかけます。
※器がふたつ並んだ写真(左下)の、左側は『猫さんのごちそうお茶碗/黒』のための釉薬をかけたもの、右は『猫さんのごちそうお茶碗/白』の釉薬をかける前のものです。
※『猫さんのごちそうお茶碗/黒』の顔は、この段階で丁寧に彫り込みます。(右下の写真です)
■鉛等の危険な成分をいっさい含まない、安全な国産素材の釉薬を使用していますので、猫さん用としてはもちろん、人用としても、安心してお使いいただけます。



12)本焼き
約1,250度の窯の中で17時間、ゆっくり焼き上げ、ようやく完成の時を迎えます。









福猫本舗オリジナル「猫さんの器シリーズ」





『猫さんの器』シリーズをお買い求めくださる方へお願い

■形・大きさ・顔の表情の違いについて
すべての製品において、出来得る限り、形の統一をはかるべく製作しておりますが、機械生産ではないため、すべてを、まったく同じように仕上げることができません。
多少の形の違い、大きさの違い、絵付けによる顔の表情の違いが、どうしても生じてしまいますことを、ご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

■焼き上がりの色の違いについて
本焼きの際、同一の窯内部にも、上段、中段、下段等の場所の違いにより、温度差が生じることを、避けることができません。
この温度差により、器自体の仕上がりの色に、多少の違いが生じてしまいます。
大量生産をせず、毎回、同じ場所、一定の温度で本焼きすることを心がけ、出来得る限り、焼き上がりの色に違いが生じないよう努力・配慮致しておりますが、それでもやはり、仕上がりの色が異なってしまう場合がございます。
大変申し訳ありませんが、機械生産ではない、手作りの製品の持つ特徴とご理解くださいますことを、お願い申し上げます。

■陶器の「景色」について
本焼きの際、窯内部で、他の器の釉薬が飛ぶ等して、器の表面に点のようなものが生じる場合がございますことを、ご理解くださいますよう、お願い致します。
※陶芸の世界では、この現象によってできた点や模様を「景色」と呼び、人の手では、決して作り得ない模様だと尊重するのだそうです。どうか、ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。

■陶器の「貫入(かんにゅう)」について
貫入とは、陶器を窯で焼き上げた後の冷却時、陶器の素地と釉薬の収縮率の差によって、釉薬の表面に生じるひびのことです。
猫さんの器シリーズの陶器は、素地の上に釉薬をかけ、その後約1250度という高温で焼き上げます。
高温の窯の中、釉薬は溶けてガラスのような層を作り、陶器の素地を覆います。
焼いた後、徐々に冷えていく過程での収縮率が陶器本体の素地と釉薬とでは異なるために、釉薬はひびのような状態を作りながら固まります。 ここでできる表面のひびが貫入と呼ばれるものです。
貫入は、機械にたよらず、粘土をこね上げることから、形を整えること、釉薬をかけること、それらすべての工程をひとつひとつ丁寧に、人の手で行って焼きあげるからこそできる、陶器の魅力のひとつだとご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

※昔の茶人たちは、貫入が入った陶器を好み、さらに、使い込むほどに貫入に入り込む「しぶ」による陶器の変化を楽しんだそうです。
物に対する愛情、物を大切にする気持ち、また、自分が大事に使っているお茶碗の変化を愛でる心のゆとり…、そんなものを感じることができるお話です。
※猫さんの器シリーズをお使いいただく際、最初にお水を入れた時に、この貫入に水が入り込み、貫入が目立つことがありますが、すぐに馴染みます。
きずやわれではございませんので、安心してお使いください。
いったん水が入り込むことで、すぐに落ち着き、貫入も目立たなくなります。