VOL.50 ももちゃん危うし!/2006年1月




相棒猫日記
文房具を買い、購入した物を整理していると、突然ももちゃんが走り出した。
すごい勢いで。目にも止まらぬ速さとは、こんなことを言うのかもしれない。

ダーッ。ダーッ。
玄関先まで行っては窓ぎわまで戻り、また玄関先へと走って行く。
走る、走る…。

よくよく見ると、レジ袋がももちゃんの後を追いかけている。
いや、ももちゃんの手か足に、レジ袋の持ち手がひっかかっているらしい。
何とか、取ってあげなければと思うのだが、あまりの速さに、抱きとめることもできない。
相棒猫日記
「ももちゃん、袋取ってあげるから…」今のももちゃんに私の声を届けるのは無理というもの。

ダーッ。ダーッ。
行っては返すももちゃんを懸命に目で追うのが精一杯だ。
それから何度か同じように往復した後、ももちゃんがトイレに逃げ込んだ。
幸いにも、屋根付きのトイレを使っていたために、トイレに入る際、袋が扉にひっかかり、ようやく袋はももちゃんを追いかけることをやめた。
相棒猫日記
「ももちゃん、大丈夫?びっくりしたね」と、中のももちゃんに声をかけ、トイレの入口に疲れたように横たわる袋を手に取ると、何と、袋にはおしっこのあと。
あまりの恐怖に、ももちゃんはおもらしをしてしまったらしい。
「ももちゃん…。ごめんね。こわかったね。びっくりしたよね、ごめんね」

買ってきた物を取り出し、袋をテーブルの上に置いただけのこと。
ただそれだけのつもりが、こんなにも、ももちゃんに恐怖心を与える結果になってしまったことに、私はただただ反省。
ももちゃんには、謝るしか術がなかった。そして、せめてももちゃんに怪我がなかったことにほっと胸を撫でおろし、心から感謝した。
あの勢いで窓にでもぶつかっていたらと思うと、ぞっとする。

うめちゃんも、ももちゃんも、袋や箱に入り込むのが大好き。でも、それらの遊びも、 私の目の届くところでの遊びでなければならない、ということに改めて気づく。




以前うめちゃんが、おもちゃに付いたゴムを、夜の間に食べてしまったことを思い出した。

あの時は、あわてて病院に行き、うんちが出やすくなる薬をもらい、「うんちよ、出てこい。ゴムよ、出てこい」と一晩中心配。
翌朝、うんちの中にゴムを確認することができて、事なきをえたが、場合によっては、開腹手術をしてゴムを取り出さなければならないところだった。

私はあの時に学んだはずなのに。
ちょっとした不注意で、もしかしたら、大切な大切なうめちゃんが怪我をしたり、病気になってしまう可能性があることを。

そして、今は、うめちゃんよりも幼いももちゃんがいる。私の責任はさらに大きい。
彼らの身を、危険から守るのは私なのだ。

危険をうみだしそうな物はすぐに片付ける。
ももちゃんが「しっかりしてね」と私に教えてくれたような、そんな気がした出来事。

ももちゃん、こわい思いをさせて本当にごめんね。
でもね、怪我がなかったから言ってしまうけど、一生懸命走ってるももちゃん、ちょっと面白かったよ。
でも、誓う!もう、こわい思いはさせないよう、気を付けるからね。




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